なのにこの連休に泊まったホテルは、夕方5時でプールが使えなくなる規則だった。 ざんねん。 諦め悪く、ディナーはプールサイドの席でとった。 薄い月明かりの下で、底に塗られた水色のペンキが揺れる。 静かに眠る、闇を含んだ水。 足先を浸す。 トポンと重たい音が響く。 肌が血の気を失うにつれ 全身が水に吸いこまれていくかのよう。 目を閉じると意識がここになくなる。 時折プールサイドにぶつかる波紋の音と、夜風だけの世界。 周りで人がどんなに騒がしくしていても、 夜のプールはそのひっそりとした空間を守っている。 そのことにわたしはとても安心するので、 長い時間ここでぼんやりしていた。
by coiori
| 2008-07-21 18:34
| 散文
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